小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

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2021年記事

能楽研修生だった頃 ⑮

〜15 研修旅行・春日若宮おん祭〜 「Kちゃんといっしょにフィンランドに旅行してきたの」 そういって学生時代の友人から、ムーミンの枕カバーをおみやげに貰ったのは研修生としてまだまだ能楽の世界には慣れず、いろんなことが初心者で、すっかり小学生気…

能楽研修生だった頃 ⑭

〜14 研修生は痩せる?〜 数年前、後輩の研修生が「楽屋の食堂でお昼を食べるといつもご飯が大盛りで、ある日”そんなに食べられません”と言ったら食堂の人に”アレ?いつも大盛りだったよね?”と言われました…多分人違いだと思います」と私に言ったことがあ…

ワークショップと電車愛。

今日は久しぶりに地元静岡県の、といっても県の東部にあたる御殿場にワークショップで伺いました(私の地元は県西部です)。 行きは小田急線のロマンスカー、MSEふじさん(旧・あさぎり)です。 電車が大好きなので、仕事でも遊びでも特急や新幹線、普通列車…

能楽研修生だった頃⑬

〜社中会の着物〜 研修生2年目から流儀の先生の舞台のお手伝いで能楽堂に出入りをするようになると、大変なことばかりでなく楽しいこともありました。 社中会での働き(=楽屋で先生の手伝い)では囃子方や地謡はプロ、主役として舞ったり謡ったりするのが…

桜前線、春分打初め会に春の雨。

昨日は横浜能楽堂にて、春分打初め会でした。 暖かな陽気の中、もちろんソーシャルディスタンスに気をつけながら行いました。 1月にいつも行っていたのを3月に延期しての実施です。 春らしい素敵なお着物の方を目にすると、気持ちまでが華やぎました。 今日…

フランス語解説付きワークショップにチャレンジしました。

本日夕方、六本木ストライプハウスギャラリーにて一調「桜川」を打たせていただきました。 私の友人であり、フランス語学習の先生でもある、空間芸術家マリージョゼ・メドヴィエールさんの作品展の中で開催といういつもとは違う空間でのプチ・ワークショップ…

能楽研修生だった頃 ⑫

〜研修2年目が始まって〜 3月の能楽研鑽会で無事それぞれの初舞台を終えた私たちは、春休みをはさんで2年目の研修を開始しました。 1年目との違いを思い出そうとすると難しいのですが、楽屋働きが去年よりも増えたり、お稽古の内容が1年目は独鼓が多かっ…

桜と舞台告知

先週、家の近くの川沿いの桜に花が数輪咲いているのを見つけ これから一気に咲くかな?というところで昨日の寒さ。 桜川ワールドになるまでにまだ少し我慢が必要なようです。 雨で野外の舞台も中止ということで、のんびりと帰ってきました。 明日、3月15日か…

本日は青翔会でした。

久しぶりの国立能楽堂の舞台で舞囃子「百萬」を打たせていただきました。 申合せも本番も、思ったように打てなかったところはたくさんありますが、 舞台で鼓を打つことで、自分の中でもやっと春が来たような気持ちになります。 コロナ以前は、舞囃子は能を一…

能楽研修生だった頃 ⑪

〜研修同期・先輩たち〜 国立能楽堂の研修制度が始まったのは1984年だそうで、ちょうど私たち八期生が研修中に25周年を迎えました。 20数年前の最初の頃に研修生であった先輩能楽師の方々は、すでに私たちの親に近いくらいの年齢、今の研修生からみたら私た…

妄想力と想像力。

年始から、いや昨年から仕事においては緊急事態宣言にかなり振り回されています。 ともかく今できること、出来る稽古をやるしかありません。 先月から再開した、横浜能楽堂での午前中のお稽古は部屋の換気とソーシャルディスタンスに考慮して今月も継続中で…

六本木ストライプハウスギャラリーにて一調を打たせていただきます。

今月19日(金)夕刻、「マリージョゼ・メドヴィエル展〜ドミニクと二ーヌ〜」展示内にて、一調「桜川」を打たせていただきます。 能「桜川」の曲の解説と皷の簡単なお話もいたします。 桜の開花も間近になりました、謡と皷の桜を耳でお楽しみください。 詳細…

能楽研修生だった頃 ⑩

〜道具(楽器)について〜 選考試験で自分の流儀が決まる前から、囃子方の場合はいずれは自分の楽器が必要であることを聞かされていました。 能楽師はそれぞれの役の専門職であり、プロで活動とするならば道具や着物も基本的には自前で用意です。研修生の場…

わたしにとっての2月。

カレンダーをみて、2月があと数日で終わることに気がつき愕然としています。 自分の中ではまだ1月はじめくらいの感じ。 なんだか、日にちの感覚がおかしくなっている? 能楽師にとって、というより私にとっての2月は閑散期。 確定申告の時期でもあり、着…

能楽研修生だった頃⑨

〜初舞台〜 舞囃子は、能の一曲の一部分をおシテが装束なしで舞うので「能のデッサン」とも言われますし、「能のエッセンス」を味わうものと考えても良いかもしれません。 地味といえば地味、好きな方はとても好きだそうです。初めて能楽に触れる時は、装束…

能楽研修生だった頃⑧-2

〜適性試験終了から初舞台まで〜 私達の研修よりもずっと以前、2〜3期前の先輩方の時には希望の楽器や役に複数人が集中するということは多かったそうです。例えば、笛をやりたい研修生が大勢いて、適性試験で希望の役に選ばれなかったら研修自体を辞めた人…

乾燥の季節です。

昨日はドライヤーが壊れたと思ったら、家族が加湿器につまづいて転び、そちらも故障。 我が家の別雷命が荒ぶっているようです‥。 ドライヤーはともかく、加湿器が無いのはイタイ。 乾燥を日々肌で感じるので、とりあえずセーターを洗って干して、ついでにミ…

バスに揺られて。

今日の午後は、バスを乗り継いで謡のお稽古に行ってきました。 行きのバスでは謡本をめくり、帰りはカバンに入れてあった読かけの本のページをついついめくり…ほどほどにしないと一気に視力が落ちそうです。 「電車は良いけど、バスで読書すると視力が落ちる…

能楽研修生だった頃⑧

〜適性試験・初舞台に向けての稽古〜 研修所では囃子方のお稽古として、例えば小鼓の場合は持ち方や打ち方を習ってから初心者向けの独鼓をならい、大鼓も同様に、狂言は狂言謡や狂言小舞、ワキ方はワキ謡と拍子謡について、それに加えて基本となるシテ謡(八…

節分の空の雲

昨日は久しぶりの青山での稽古能でした。 稽古の後は表参道から原宿まで道具と着物を持っててくてく。 原宿駅がリニューアルしてから始めて利用したので、駅の変化にびっくりしました。 午後は国立能楽堂で謡の稽古。 暑いなあ、と思って空を見上げると夏の…

能楽研修生だった頃⑦

〜楽屋働き、荷物持ち〜 さて、兄弟とルームシェアしながら、国立能楽堂で稽古を始めた研修生1年目ですが、私の場合それに加えて「先生の荷物持ち」という仕事が割と早くから発生していました。 文字通り、朝早くに先生の家の近くに行って(なぜか家の付近…

少しだけ、着物の整理。

木曜日に着物を着た際に使った雨コートが、思った以上に泥跳ねしていたため 昨日洗って今日はアイロンをかけました。 ウールの着物はずぼらに座布団を使って寝押し的にシワ伸ばし。 シワシワになっている帯揚げも少しづつアイロンかけです。 帯揚げの房も時…

絹の肌着にウールの着物。

寒いなあと思っていたら、今日はみぞれ混じりの雨から雪へ。 当たり前だけど、まだまだ冬ですね。 さて、去年からぼちぼちやってる着付け練習会。 自分で多少着物を着られるとは言え、だれかに教えるって、勉強になるなあとつくづく思います。 今日は雨なの…

能楽研修生だった頃 ⑥

〜支給品・奨励金貸与について〜 能楽研修生として国立能楽堂に通い始めた後の流れとしては以下のようになります。まず半年間稽古して適正試験で自分の流儀が決定し、そこからまずは2年半が基礎研修。 その後3年が専門研修といった感じで稽古会を見学し、…

能楽研修生だった頃⑤

しばらく放置していたテーマ。再開します。 〜アルバイトと住まいのこと〜 研修生の期間は、能楽の場合は6年。バレエやオペラ、文楽等など、ほかの研修所 の期間と比べても突出して長いです。能楽師の修行には10年は必要と言われているので、研修制度を開…

大寒らしい朝の寒さでした。

昼すぎから謡の稽古ということで、今朝は家でひとしきり謡っていました。 謡も皷も自分のクセがどうしても出てしまうので、まずはそれを治すことから。 今月の地方の舞台はなくなってしまいましたが、数カ月後に声をかけて頂いている舞台に向けて、稽古中で…

今日は稽古会でした。

半分、冬眠しているような今日このごろ。 昼間は久しぶりの能楽堂での稽古会でした。 公演や稽古の中止が相次いでいますが、自己研鑽は怠らず、といいたいところですが…。 思い切り影響されている自分に愕然。 なんだか、何もかもがうまくいかない…。 やはり…

舞台の延期とその他もろもろ。

先週からいろいろな連絡や出来事が相次ぎました。 結論からご報告を…横浜と相模大野、高井戸での私の小鼓のお稽古は今月いっぱいお休みしています。オンラインレッスンは継続中です。 また、残念なお知らせが1つ。 ・静岡県菊川市で開催予定でした、1月24…

遠きにありて想うもの

先日買った、静岡のお酒「ぷちしゅわメロン酒」がぷちヒットです。 見た目重視で買ったのですが、甘ったるくなく香料臭くもなく…静岡の蔵元「花の舞」さんの日本酒っぽいお酒です。 同じ時に買ったこれまた静岡西部のお菓子屋さん「たこ満」の方の「大砂丘ポ…

オンラインの可能性

年始の飾りで活けた蝋梅が少しづつ咲いてきています。梅の香りを嗅ぐと嬉しくなりますね。 2020年を振り返ると、いろいろなことがありました。 特に、オンラインで能楽に関する事をする機会が増えたのが印象的です。 直接お稽古ができないということで、オン…