〜適性試験終了から初舞台まで〜
私達の研修よりもずっと以前、2〜3期前の先輩方の時には希望の楽器や役に複数人が集中するということは多かったそうです。例えば、笛をやりたい研修生が大勢いて、適性試験で希望の役に選ばれなかったら研修自体を辞めた人もいたとか。
ここ10数年の傾向を見ていると、応募者・研修生ともに減っているためそうした悩みはないのですが、それでもやはり試験というのは緊張するもので、八期の私しも他の皆も適性試験後にそれぞれの役・流儀が正式決定した時にはほっとしました。
試験の後で変わったことと言えば、私の場合は小鼓の先生がより稽古で厳しくなったことと、楽屋働きとして楽屋に入ることができるようになったということでしょうか。
つまり、稽古がよりキツく、時間にもより追われるようになったという…。
でも、これでようやく中途半端な状況から少し抜け出せたともいえます。なにしろ、「女子の研修生は正式に採るのかどうするのか」という議論が続いているような状況でしたので。
さて、それぞれ自分の専門の稽古の他には謡や座学も相変わらず続き、目指すは研修開始後丸一年がたった翌年3月の研鑽会での初舞台となりました。
狂言の研修生では、大学時代にサークル活動で狂言舞台経験者もいましたが、それはノーカウント。プロを目指す上での舞台が初舞台として経歴に記載されています。
小鼓方研修生の私は舞囃子「桜川」でした。