~研修スタート、その内容~
さて、選考試験で囃子方の先生からお話を伺った後ですが
いろいろな人に相談したりして、銀行を退職し4月から能楽研修生活が始まりました。
銀行員時代は静岡県内で寮から支店に通っていたので
3月末に退職→寮から引っ越し→東京に移動・4月からの研修の準備と、
バタバタと日々が過ぎて行きました。
研修が4月から始まると研修生全員で、
謡の稽古、小鼓と大鼓、ワキ謡と狂言の稽古を受けました。
(これは、私が所属していた期の募集が小鼓・大鼓・ワキ・狂言であったためです)
近年の名人の舞台についてなども勉強します。
(そういえば座学では能の曲名の漢字テストなどもありました)
また立ち方の研修生のために、
後半の研修では和裁の授業もありました。
これは和裁の基本の運針から能装束の造りや実物を見せてもらうなどの内容。
朝の10時40分に最初の稽古が開始、1つの稽古が大体70分。
初めの頃は、謡の稽古は毎日
囃子の稽古は日によって1~2種類
ワキと狂言の稽古は週に1回か2回だった気がします。
(少しうろ覚えです)
稽古の内容も難しいのですが、始めたばかりの研修生の課題は
毎日正座で3~5時間過ごすので
まずはそれに慣れることと
毎日稽古着(男物の着物と袴)を着るので
袴をつけ慣れることでした。
あの頃1時間ちょっとの稽古でしびれて立てなかった同期研修生が
今では舞台で3~5時間微動だにせずに座っているのを見ると
感慨深いです