はるか昔の研修生時代に小鼓の大先生のお宅に伺った際、稽古場の壁に掛けてあった色紙に目がとまりました。
何やら禅語を書いたものが数枚。そのうち二枚は読めません。
「何と書いてあるのですか」「さあ、何だろうね」というやり取りがあった後ずっとそのままになっていたのですが、一昨年辺り仕事で伺ったお寺の和室に掛けてあった色紙に稽古場の一枚とよく似たものが。
お寺の方のくずし字は半分だけ読めたので、帰宅後調べて後日稽古場でも確認。
「読めた!」
もう一枚については最近まで読めないままでした。
三文字で、「光」と何かの字と、おそらく…「花」?ネットで調べたり、本を借りてきてもわかりません。
長い禅語の一部ということも…あるいは光と書いてあるのが読み間違いか…などと思いながらも、しばらく放置。
稽古場には今でもお稽古を見ていただく以外にも、手付を写したり、お使いものを届けたりするので時々伺います。
一昨日も、お使いついでにお仏壇にお線香をあげて大先生にご挨拶。
すぐ近くに件の禅語の色紙は飾ってあります。
相変わらず読めないな〜と見つめながら「花」だと思っている字の右上に点がついていることに気が付きました。花のくずし字にこんな点あったかな?
そこから帰宅後再び調べ物……読めた!
というわけで、十数年目にして色紙二枚の禅語の解読に成功しました。
最初に読めた禅語は…
「松無古今色」
(松に古今の色無し。お寺にあったものは「竹有上下節 松無古今色」と繋がっていて読みやすかった)
二枚目のほうは…
「光明蔵」
(光明蔵三昧。ずっと「蔵」のくずし字を「花」だと思っていた為、「花」の禅語で探していた)
意味がわかってみると、どちらも稽古場に相応しい言葉です。
ああ、すっきりした。
今日はこれから明日14日の「青翔会」申合せ。
舞囃子のお役ですが、曲は十数年前に初能で大先生に稽古されたものと同じ、「田村」です。
新宿御苑のコブシの木