こんな夢を見ました。
稽古場の板の間で、舞台用の紋付を着た大先生が座っています。
若先生は自分の着物の襟の合わせを姿見で確認しながら、独り言?なのか
「謡いだしが〇〇だから、打ち出しは〇〇でいいんだよな」
とせかせかとつぶやいています。
どうやら大先生が舞囃子を打つのを
若先生は後見するつもりで着替えているらしい。
舞囃子の寸法を少し短くして、打ち出しの箇所を変えることになったようです。
兄弟子は落ち着かなさげに座っていて、
私は大先生の袴を畳んでいます。
稽古場の入り口辺りに大先生の奥様が座っていて
その様子を黙って見ています。
「随分(謡の箇所を)抜くんだねえ」
と、大先生が言うと
「いいんだよ」
と、少しぶっきらぼうに若先生が答えます。
大先生の体調を心配しつつも舞囃子を打てるようになったのが嬉しそうです。
畳んでいた袴の紐を直しながらそれを聞いてた次の瞬間
もう大先生がいないことを思い出して
顔を上げたところで朝の日差しに気づきました。
そういえば東京はお盆です。
***
夢の中で大先生が打つことになっていた舞囃子は
「女郎花」
クセ前の下歌のところから謡う設定になっていて
翔もキリもあるから、実際は結構長いんじゃ‥などと
目が覚めてから思いました。
「花のひと時を くねるも夢ぞ 女郎花 露の台や花の縁に 浮かめて賜び給え」
(女郎花キリより)