今月6日から開催されている国立能楽堂の「楽器名品展」。
師匠のお道具が展示されているのもあって、お稽古場や趣味のお仲間などにせっせとチラシを配って宣伝しています。
貴重な小鼓の筒がたくさん見られる機会なので、個人的に図録も買いました。
小鼓方としては、筒の彫り(内側)が気になるのでガラス越しに覗き込みながら拝見しましたが、蒔絵も素晴らしいものがたくさんです。
蒔絵の有無は音には関係がないので、骨とう品・美術品としての価値になると思うのですが、最近こんな本を読みかえしていたので今回は特にじっくりと拝見。
文中に、能の装束や能役者の手について言及する部分がありますが、それ以外に蒔絵や金の飾りの美しさについての文があります。
曰く、「電灯など人口の光の下では派手すぎるものも、かつて室内が暗かったときにはその輝きが格別だったのだろう」とのこと(意訳です)。
ちょうど、先日の掛川でのワークショップの際に、薄暗い控室(和室でぼんやりと光る裸電球が一つだけ)で自分の道具を見たときにもこの文章を思い出しました。
闇のなかで光る、鼓の蒔絵の美しさといったら!
暗闇…ではありませんが静かな展示室でぜひ能の囃子のお道具の魅力を知っていただきたいです。