小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

background-size: cover; height: 75px;

正絹単の着物を自宅で洗ってみた件

 物価の上昇が続いております。

食品のみならず、今年は舞台の道具(鼓の調べ緒など)の値上がりに加えて夏の間に、よく使っている悉皆屋さんの着物丸洗い料金も値上がり……先月から今月にかけては洗いに出す着物の数も多いので、実感します。

 浴衣やウール着物は家で洗っているものの(エマールが大活躍)、正絹の着物は怖くて今まで手を出していなかったのですが……こうした事情もあって初チャレンジ。

(でも失敗したら怖いので大事な着物はやめておいて普段着の方)

 洗面所にためた水に、おしゃれ着用洗剤と共に、藍染の浴衣の時にも使っている色止めのためのお酢をどぼどぼ。

いろんな用途で使うので、我が家のお酢は大ボトル。

水につけると変な匂いが。お酢だけではない…石油系洗剤?

 色止めを入れたのに、濯ぎになると水が黄色っぽくなって焦りました。

 手洗いで二度ほど水を取り替えて濯ぎ→古いバスタオルで着物を巻くようにして上から抑える(軽い脱水)→大きめの洗濯ネットに入れて、洗濯機で20秒程度脱水(しっかりめの脱水)→着物ハンガーで部屋に干す。手順は浴衣のときとほぼ同じ。

部屋で陰干し。乾く前の濡れた状態。

 白絣の浴衣のときは、麻が入っているので脱水10秒くらいで重さで布を伸ばすことをしていますが、今回は色落ちが怖くて20秒にしてみました。それでもドキドキしながらの作業。

因みに干した時点で着物から水が滴ったりはしなかったので、下に新聞紙を敷く手間が省けた分「脱水しすぎた?」と自問自答。

昼過ぎに干して、次の日朝にはほとんど乾いていました。

思ったよりシワもついていなくてきれい。唯一、ちょうど着物ハンガーの紐の部分に引っかかってしまっていた衣紋の部分が…

ああっシワになってる!

次のステップは襟元(と全体)のシワ伸ばし。

着物を畳んで、三等分くらいに折って風呂敷で包む

 着物を包んだ風呂敷を、部屋の隅に積んだ座布団五枚の間(下から2枚目の上あたり)に挟んで置いておくこと1〜2日。家に居るときはなるべく座布団の上に座るようにして重さを加える。

 (以前床に風呂敷を直置きして座布団を載せたら、フローリングの板の幅にしっかり跡がついてしまって反省)

             ↓ ↓ ↓

そろそろ大丈夫かな。

ほらね。

 来年の単の季節までしまっておいて、着る前に軽くアイロンがけすれば大丈夫そう。

 大きな失敗もなく無事に洗い終えてホッとしました。