小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

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天然のお香?

最近お稽古した謡の中に
古びたお寺を描写して
「甍破れて霧不断の香を炊き
樞落ちては月もまた常住の燈火をかかぐとは」
というのがありました。
お寺の周りに立ち込める霧を不断の香と例え
破れたとびらから差し込む月の灯りを常住の燈という。
要は朽ち果てた山奥のお寺ということですが
描写の仕方がなんとも風雅です。

お香は好きで時々買ってきては色々炊いてみます。
友人の中にはアロマキャンドルは好きでも
お香は絶対駄目という人もいるので
私がなんとなく好きなのは
さいころ祖母が毎朝仏壇にあげていた線香の影響なのか。
(仏壇がある和室で寝ていました)

「いつか廃屋で暮らしてもこの謡を謡えば風雅な気分に浸れそう」
と家族に行ったら
「…わからん」
と呆れられました