最近お稽古した謡の中に
古びたお寺を描写して
「甍破れて霧不断の香を炊き
樞落ちては月もまた常住の燈火をかかぐとは」
というのがありました。
お寺の周りに立ち込める霧を不断の香と例え
破れたとびらから差し込む月の灯りを常住の燈という。
要は朽ち果てた山奥のお寺ということですが
描写の仕方がなんとも風雅です。
お香は好きで時々買ってきては色々炊いてみます。
友人の中にはアロマキャンドルは好きでも
お香は絶対駄目という人もいるので
私がなんとなく好きなのは
小さいころ祖母が毎朝仏壇にあげていた線香の影響なのか。
(仏壇がある和室で寝ていました)
「いつか廃屋で暮らしてもこの謡を謡えば風雅な気分に浸れそう」
と家族に行ったら
「…わからん」
と呆れられました