静岡は浜名湖にて、沖のカモメ
「なにしおわば いざこととわんみやこどり わがおもふひとは ありやなしやと」
その名を持つならば、尋ねてみよう都鳥よ、私の愛しい人は 息災なのかと
「都鳥」は今のユリカモメに該当するという説が有力なようです。
昔は京都にはいなかったとか。
「善知鳥」でもそうですが、昔の話に出てくる鳥が何の鳥かは結構難しい。
能の曲の中でも「都鳥」は出てきます。
ユリカモメやミヤコドリなどに當ると言われますが「隅田川」では曲中で
「うたてやな浦にては都鳥とも言え鴎とも言え。などこの隅田川にて白き鳥をば都鳥とは答え給わぬ」
嫌なことだ浦では都鳥とも鴎とも言うとも、
どうしてこの隅田川で白い鳥を都鳥とはお答えにならないのか
と、言っています。
能の中で、現在能と呼ばれる生きている人間が主人公のものは
子どもとはぐれて、母や父が探すものや
恋人を探してさまようものなどが沢山あります。
大抵は最後に出会えてハッピーエンドなのですが
「隅田川」は悲劇に終わります。
私が上京して初めて観た能も「隅田川」でした。
それから何度も観た曲ですが、何度観ても良い曲だと思います。