お能の曲の中では、曲名に「鼓」がついたり、曲の中で鼓のようなものが出る曲がいくつかあります。
曲名につくものとしては「籠太鼓」「富士太鼓」そして「天鼓」。
「籠太鼓(ろうだいこ)」は曲名こそ太鼓とついていますが、曲中では鼓と言っています。
「鼓の段」と言われる謡の部分もあります。
「富士太鼓」は曲の内容からおそらく雅楽の釣太鼓を指すかと思われます。
火炎の飾りのついているアレです。
そして最後の「天鼓」。
これは、天から降ってきた鼓という設定です。曲中ではバチで打っていますが、絵本なんかだと小鼓とよく似た形状のものを天鼓が打っている挿絵があったり。
中世の芸能の香りを感じることができる能です。
どれも4番目ものと言われる現在能(実際に生きている人が登場する、ドラマ的な能)です。