小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

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小鼓観世流について

最近、こんな質問を受けます。

観世流の小鼓って謡の観世流と同じですか?」
あるいは
観世流ということはシテ(主人公等演じる役)が観世流の舞台にだけ出るの?」
確かに、分かりにくいと思います。
というわけで

~説明しよう!~
「小鼓方観世流について」

観世新九郎流ともいう。家伝では芸系の上から宮増弥左衛門親賢(1482~1556)を流祖とする。江戸時代は主として観世の座付で、小鼓方筆頭の地位にあった。現在、能楽協会に登録された同流の役者は7名。この流儀の特徴は甲(かん)の音を多用することと、三ツ地の第五拍に掛け声がないことなどである。
(出典「新訂増補 能・狂言辞典」1999年 西野春雄+羽田昶編 平凡社

江戸時代は「座付制度」と言いシテ方ワキ方囃子方の流儀の組み合わせが基本的には決まっていました。小鼓観世流はかつては観世座の座付であったわけです。他に観世流とつく流儀は太鼓・大鼓であります。明治以降は座付制度はなくなったので、現在では流儀の組み合わせに制約はありません。

というわけで、観世流という流儀名ではありますがシテ方宝生流金春流の舞台にも出ます。
東京の舞台だけではなくて、京都や大阪で他流の若手の方にお相手していただくこともあります。
お囃子も普段お相手しない流儀同士だとお互い緊張します(未知との遭遇)。
そして勉強になります。

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夏の鴨川のほとりにて。シャッターをポチッとな。