小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

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12月の能

昨日は宝生能楽堂狂言アシライを打ち、今年の自身の舞台が終了しました。
年賀状やお正月飾りの販売を見るにつけても、年の瀬を実感します。

新年、あるいは春の能というと色々浮かぶのですが
年末や冬の能はそれより少ないです。
実際、物語の季節が12月の能は4番程度(観世流謡曲季節表より)。
歌舞伎では「仮名手本忠臣蔵」が年末の有名曲ですが
能楽ですと「鉢木(はちのき)」があります。

以下「鉢木」あらすじ↓
雪深いある夕暮れ、佐野の里の一軒の家に旅僧が一夜の宿を求める。
家の粗末さから最初は断った主人だが、大雪の有様を見かねて僧を招きいれる。
粗末な食事と、自身秘蔵の鉢の木を薪にくべてのもてなしに僧は感じ入る。
主人はかつての領土を一族に横領された身の上を語る。
旅僧は望みをつなぐように言って翌日去る。
その後鎌倉より各地の武士たちに召集の令が出た。
1番に参上したのは佐野の主人(佐野の源左衛門の尉常世)であった。
やせ馬とちぎれた具足で笑われる常世であったが
かつての旅僧(実は前の執権、最明寺時頼)に
本領の復権と鉢の木にちなんだ3つの所領を与えられる。


直面(ひためん)でシテが演じる鎌倉武士の能です。

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鎌倉のお蕎麦屋さん。