夏休み‥ではありませんが
能楽の舞台は真夏はあまり多くありません。
おシテ方が虫干しするのもこのシーズン。
というわけで、涼を求めて‥ではありませんが
前々から行ってみたかった場所に行ってきました。
史跡・殺生石
京都・奈良のみならず能に関係のある史跡は関東にもそこそこありますが
交通の便が良くないとなかなか行けません。
そのため以前学生さんたちと夏の能楽史跡巡りで行こうと思った時も断念。
この度やっと訪ねることができました。
入り口に案内板がありました。
着いたのは昼下がりでしたが霧が一面に立ち込めていて雰囲気抜群
「あの世感」がすごいです。
賽の河原。
ところどころに石が積み上げてあります。
山頂は見えません。
この日は気温が低かったのと、那須の麓に比べてこの辺りは涼しいので寒いくらいで
徐々に霧で服がしっとりと濡れてきます。
合掌しているお地蔵さま
大きな掌に手袋がかぶせてあったりします。
たっぷりとあの世感を味わいながら霧の中を少し進むと
殺生石が見えてきました。
麓の辺りでは硫黄の匂いが一面立ち込めていたのですが
殺生石の近くでは逆に匂いを感じません。
近くにいた山岳ボランティアの方によればガスの濃度が濃いと無臭になるらしいです
知らずに迷い込んだ小動物や鳥が毒ガスで死んでしまうそうで
景観維持のために定期的に片付けているとか。
柵の内側はガスマスク着用だそうです。
(ガスの噴出孔の上にそのまま居ると人間でも10分くらいでダメになる)
近くを流れる川は酸が強く
10円玉をずっと入れておくと溶けるそうで
手持ちの10円と5円で実験。
色が変わっているところが川の水で洗ったところです。
想像以上に色々すごいので興奮して話を聞いたり写真を撮ったりしていたら
「なんだかちょっと気分が悪い」と家族が言い出し
そういえば私も頭がすごく痛くなってきたので退散することにしました。
帰りは山の方にある温泉神社の方から回って麓に降りることに
自然がいっぱいです。
クマさん生息中
割れた殺生石から姿を現し今後は害をなさないことを約束して姿を消すという終わり方ですが
実物の殺生石は未だ妖気を放っているなあ、と思いました。
ちなみに麓に降りるに従って頭痛や悪寒は治まったので
温泉神社の入り口の足湯に浸かって帰りました。
温泉はとても気持ちが良く、
湯量も豊富で泉質もよいようなので、再訪したいです
~やくそくかたき石となってきじんのすがたはうせにけり~
殺生石をアップで。黄色くなっているところはガスが噴出していて危険。