舞台からの帰り道、くちなしの花が香っていました。
一昨日は神楽坂の矢来能楽堂にて学生さん向けの能楽鑑賞会でした。
大雨でびしょぬれになりながら能楽堂にたどり着いたので、鼓もかなり湿気ている…と、張っているほうの革と組み合わせて使いましたが、舞台の蒸し暑さと鼓の調子の変化に汗をかいてしまいました。
「名人は汗をかかない」という言葉を思い出しつつ、楽屋にもどって再び額の汗をスポーツタオルで拭いて…それにしても暑い!
「昨今の気温は昔と違いすぎて、早めに薄物に衣替えしたくなる」
とは、お相手していただいた囃子の先生の言葉。
全くもってその通りだと思います。囃子方、特に大鼓・小鼓は舞台で袷の着物を着ることは稀ですが、単の着物でも5月6月は既に暑い。
ましてや普段の着物で、一昔前の着物ルール通りに5月まで袷・6月末まで透けない単、は現実的では無い。
というわけで、最近は舞台以外での着物生活も5月の後半は単を着ることにしています。
6月からは、舞台用の襦袢は襟だけ絽のものに。
先月後半は一度だけ袷の付下げを着たのですが、気温26度の中朝から夕方まで10時間近く着ていたら、お太鼓の形に汗じみができていました。
「いかにも涼しげに」着物を纏う人になりたいです。