昨日は水道橋の能楽堂で宝生流の春の女流能にて能「杜若」を打たせていただきました。
都内の桜はどこもほぼ満開で、途中の電車の窓から、能楽堂に向かう途中の道で、そして楽屋口に隣接した金比羅神社の境内にも見事なソメイヨシノ。
暖かい日と風の強い日が続くので、あまり早く散ってほしくないですね。
さて、今回の能「杜若」は「澤辺之舞」という小書つき。
イロエの舞を舞うのが終わりのほうだったり、序の舞の最初の方が打つ手が色々違ったり、途中でおシテが橋掛かりの方に行って
小鼓は流シの手を打ったり…といろいろ盛りだくさん。
一曲終わるまで結構な長さです。
能の理想の世界は目をあけて観る夢なので、長さを感じさせず夢見心地にさせることが私たちの役目……ってそんな簡単にできない!
前日に師匠からは「澤辺之舞を打てる喜びを感じながら舞台に臨むように」とも言われましたが、ここ数日の湿り気で鼓の音が出にくく調整しつつ必死で打ったとしか言えない。
でもこういう難しい曲に挑戦することも意味があるそうで、今後の舞台に生かしていければと思います。
舞台にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。