小鼓草子2020

小鼓方観世流能楽師岡本はる奈のブログです。舞台・ワークショップ・稽古場案内と日々の出来事など。横浜、相模大野、東京杉並区にて小鼓指導しております。フランス語版ブログhttps://notesdunkotsuzumi.blogspot.com/

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苗代を〜狂言「御田」〜

本日は横浜能楽堂にて金春円満井会。

師匠の大役「関寺小町」のお手伝いに加えて、狂言の稀曲「御田(おんだ)」の鼓を打たせていただきました。

おシテは山本東次郎先生。学生時代から憧れ続けた、大好きな狂言の先生です。

狂言独特の節に加えて、謡も中世の風俗や田植えの文化、歌垣の趣を持つこの狂言。めでたさが舞台に漂います。

 

 ”苗代を どろらとならしすましつつ 水も豊かに”

 ”皐月のさ女房と春の鶯と 声比べしょう”

 ”面憎い男の 言うたことの腹立ち”

 

 めでたい。うん、目出度い。狂言のアシライは能のようにはっきり主張してはならず、ふんわりと豊かに……難しいです。

 能も奥が深いですが、狂言の世界のたおやかさに幸せな気持ちで鼓を打ちました。

 

 

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横浜能楽堂の近くの梅もほころんでいます。